原子力に頼らないエネルギーに転換しよう!

「評論家になっても仕方がない。解決のために何ができるか?」そう切り出す田中優さんの講演会は、急遽、日程が変更になったにも関わらず、定員150人を声、入場できない人もいた。

田中優 環境運動家  応援します!生活者ネットワークの代理人運動を押す。
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今、日本がやらなければ!
自然エネルギー・再生可能なエネルギー〜 
データに基づく話はわかりやすく、説得力があった。例えば、なぜ、日本に原発はそぐわないのか。

1970年〜震度5以上の地震があった回数を比較すると、
イギリス0回、フランス・ドイツ2回、
アメリカ322回、日本3,954回
この数字をみただけでも、火山列島といわれる日本が原発向きではない国だとわかる。
火山と氷の国と言われるアイスランドは、地熱を利用するなど自然エネルギーが7割普及している。地熱発電所の装置は日本製。現地の人に「同じ島国で同じ火山国で、これだけの技術を持っているなら、日本はもっと、すごいのでしょうね」と言われたそうだが、地熱発電は日本ではあまり知られていない。
そういえばドイツの黒い森の近くに自然エネルギーで電力自立30年の農家があったが、その太陽光パネルも日本製だった。風力発電も低周波を解決し鳥がぶつからない新型が開発されているそうだ。
日本には技術があるのになぜ、国内で広がらないのか不思議でならない。

電力利用のピークは産業界が作りだしている
家庭の電気料金の単価は、省エネ行動が働くよう使うほどに高くなるが、事業系は使うほどに安くなる。これを事業系も使うほど高くなるしくみにすれば3-5割削れるという。それなら原発施設を止めても何の問題もない。夏の平日のピークは午後2〜3時で、91%が企業の消費なのだ。ちなみにフランスは、産業界は11倍高いそうだ。
 さらに送電線の電力会社独占の問題がある。ヨーロッパやアメリカは、送電線は道路と同じように公が管理し、発電や配電は自由なのでどこで発電しても自然エネルギーを売買することができる。日本は電力会社が送電線を持っているため、それができないのだ。これでは、どんなに高い技術を持っていても自然エネルギーが増えるわけがない。

エネルギーを選べない仕組みが問題だ!
福島原発事故で原発保険が降りるが、不足分を国が電力会社と賠償するという。田中さんは、賠償を国が肩代わりするかわりに、送電線を国有化して発電・配電・売電をできるしくみを作ろうと提案している。そうなれば、今まで断られていた小さな発電施設や個人レベルの新エネルギーからも電気を買うことができるのだ。
今回の事故で東京の生活は、東北の方々の日々の犠牲の上に成り立っていることを知った。私たちは今までのシステムに知らないまま、従っていたことになる。今、不安な原発施設は「もう、いらない!」とはっきり言いたい。
でき得るかぎりのエネルギー自立をめざそう。
                   宮井真紀

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