地域をつなぐ雨水循環
7月13日、エコメッセ主催で講師に神谷博さんをお迎えし、雨水循環についての講演会が開催されました。
地球上の水の循環を考える時、雨水は始まりのひとつです。「問題は水、答えは雨」というように、私たちの生活の中での水の問題は、ほとんどが雨に関わっていると言えます。
最近の雨の降り方で気になるのは、極端な少雨や多雨です。世界各国で洪水や干ばつが頻繁に起こり、また東京という限られた地域の中でも、突然の雷雨にみまわれることが多くなりました。大気の中での水の循環はバランスが崩れやすく、地球温暖化の影響は深刻になってきています。
私たちが、身近な環境として考えられるものに「家」があります。これまでの家は、といなどを使って雨水を排除する造りでした。しかし、天の恵みである雨水を、できれば利用して活かしていきたいものです。講師の神谷さんは、建築に雨水循環を取り入れ、環境共生住宅の設計にも携わっていらっしゃいます。雨を「かりる」「かえす」「つくる」という考え方を基に、家にあたかも緑と同じような「蒸散」「浸透」「保水」機能をもたせるのです。まだまだ、技術的、制度的な課題が多いようですが、ぜひ私たちにも利用しやすいしくみができてほしいと思いました。