大人の社会科見学報告

回収したペットボトルと資源プラスチックの行方   =天ぷら油のリサイクルバスは、燃費も馬力も問題なし=

回収されてきたプラスチック類は、破袋機で破袋された後、ベルトコンベア上で手作業によって異物を取り除きます。
回収されてきたプラスチック類は、破袋機で破袋された後、ベルトコンベア上で手作業によって異物を取り除きます。
100%天ぷら油をリサイクルした植物性のディーゼル燃料(BDF)を使用したバスに乗り、目黒区の中間処理施設と再商品化施設を見学してきました。また、「区職員活用しま専科」の制度を利用し、環境清掃部清掃リサイクル課の職員に同行してもらいました。

大田区京浜島の品川運輸株式会社(中間処理)
 回収した資源を搬入。中の異物を取り除き、圧縮梱包して再商品化の業者に引き渡します。異物は、生ごみ・ガスボンベやハンガーなどの金属・陶器やガラスなどですが、特に厄介なものが生ごみ。お弁当の食べ残しなどは、きれいにして回収に出して欲しいそうです。また、東京都23区推奨ごみ袋で回収に出すと、これは容器包装にあてはまらず異物となり、可燃ごみとして目黒区に戻されます。

神奈川県川崎市の昭和電工株式会社(ケミカルリサイクル)
 圧縮梱包プラスチックを破砕し、さらに異物を取り除き、形成機によりRPF(減容形成品)というものに加工します。RPFは低温ガス炉、高温ガス炉で合成ガスになり、最終的にアンモニアが製造されます。
 アンモニアは、化学繊維や医薬品、窒素系肥料などさまざまなものの原料となり、通常は石油から作られます。アンモニアの需要が多いことを知り、驚きました。また、合成ガス生成過程で回収されるスラグ、金属類、塩、硫黄は全て資源として有効利用されています。

基本は確かな「分別」
「百聞は一見にしかず」ということわざがありますが、今回見学してみて分別の重要さを改めて感じました。異物が多ければ多いほどコストがかかるため、分別をきちんとすることが節税につながることがわかりました。そして、資源という言葉に惑わされたり、リサイクルされるからということで安心せず、作る人、売る人、買う人が、それぞれの立場で、まずごみを出さない工夫をしていかなければならないと思いました。どんな技術があっても、まずは排出抑制が基本です。

ボトルtoボトルの取り組み 
=ペットリファインテクノロジー株式会社=
 ペットボトルを原料まで戻して、ペットボトルに再製品化している国内唯一の会社です。
国内で回収されるペットボトルは年間50万トンありますが、原料高騰などにより、売却され中国などに20万トンも輸出され、国内ではリサイクル用のペットボトルが不足しています。技術があるのに国内で循環しないのは残念なことです。