雨水((あまみず)は天水(てんのみず) 〜今、なぜ雨水利用が必要か〜   エコメッセ環境講演会

 おひさまレポート67より

 講師に、雨水博士の村瀬誠さん、コーディネーターにエコメッセ理事・参議院議員の大河原雅子を迎えて、4月4日(日)に行われました。
村瀬さんが最初に示されたのは、みごとな棚田の風景!そして「これが雨水利用の原点です」。お話はここから始まり、はるか古代から雨水を利用してきた日本人なのに、ここ数十年で意識がすっかり変わってしまい、雨は邪魔と排除してコンクリートで覆われた都市がひろがったために、昔は無かった都市型水害が頻発するようになったそうです。近年の地球温暖化のせいか、一時的な豪雨がしばしば降るようになったことも原因で、下水管のキャパを超えた雨に対処できずに洪水となってしまうのです。
しかし、見方を変えれば、雨は貴重な水資源。東京に降る雨の量は、都民が使う水道の量とほとんど変わらないというのですから驚きです。その雨を降らす雲はどこからやってくるのか?そこまで考えて、村瀬さんはアジアの水不足に苦しむ国に雨水貯留タンクを設置する活動にも取り組んでおられます。国技館や江戸東京博物館、墨田区庁舎など多くの雨水利用施設を実現してきた村瀬さんですが、なんと、今、建設中の東京スカイツリーも村瀬さんがかかわる大規模な雨水利用プロジェクト。地上465mの展望台の屋根からも雨水を集めるのだそうです。ツリーの隣のビルなども含めて、全部で3千トンの雨水貯留ができるとか!また、近年は韓国や中国などでも雨水利用についての関心が高まり、大規模な雨水利用施設ができているそうです。日本でも、もっと雨水利用を進めて、遠くのダムに水源を頼らないで生活ができる自立した街をめざしたいと思いました。
私たち、エコメッセでは、街の中のミニダムとして、家庭用の雨水貯留タンクの設置を進めており、店舗でもタンクの取り扱いをしています。この雨水タンクがたくさんの家庭に設置されれば、下水に流れ込む雨の量を減らし、雨水の有効利用にもつながります。
雨の日は憂鬱だけど、植物や農作物のためには必要、と思っていましたが、これからは人間にも必要な大切な水資源なのだ!と思って、雨の日も大切にします。
NPOエコメッセ事務局長  愛澤美和子