ゲノム編集食品?何が問題なの?  学習会参加報告(会場・リモート実施)

6月29日(水)ゲノム編集食品についての学習会に参加しました。

まず、遺伝子とゲノムとは? 例えとして、遺伝子が本(1つの指令)、染色体が本を収納する書棚、ゲノムは図書館全体(すべての指令)ということで、ゲノム編集とは作るものを変える指令をつくることになり、人為的な遺伝子操作になります。

では、「ゲノム編集」は「遺伝子組み換え」とどう違うのか? 同じ人為的な遺伝子操作なのですが、偶然のたまものである「遺伝子組み換え」に比べて、成功率が高く、短期で安価に作ることが可能とされているのが、「ゲノム編集*1」です。それゆえに、研究機関やベンチャーの参画が可能です。

ゲノム編集されたトマトは、現在はネット販売限定ですが、2022年栽培キットのオンライン販売、デイケアセンター・障碍者福祉施設等への苗の無償配布、2023年小学校への苗の無償配布と計画されています。知らず知らずのうちにゲノム編集トマトが栽培されると、周辺で交雑が進み環境に影響を与える恐れがあること、安全性が確認されていない食品を、将来を担う子どもたちに食べさせてしまうことに大きな不安があります。

日本での遺伝子操作食品の規制においては、ノックアウト*2の「ゲノム編集食品」は無規制です。遺伝子組み換え食品も当初は規制がない中で始まりましたが、安全性を求める声の中、安全性の評価、環境影響評価、食品表示などの規制がされるようになりました。EUなどでは「ゲノム編集食品」の規制は遺伝子組み換え作物の規制を適用しています。安全な食品を求めるためには消費者が声を上げるかどうかが大切です。

*1… 現在、最も普及しているゲノム編集技術で寛敏な新手法はクリスパーキャス9

*2… ゲノム編集の効果には「ノックアウト」と「ノックイン」があり、ノックアウトは研究が盛んで、その生物の特徴を超えることはない、ノックインは高精度な遺伝子組み換えで、別の生物の特徴を出せる