「9条解釈改憲にどう対峙するのか」公開討論会に参加して  2014.8.17

 今井一さん(国民投票におけるジャーナリスト)、想田和弘さん(映画「政治」製作)宮台真司さん(社会学者)のお三方の公開討論は三人三様で大変面白かった。

「集団的自衛権の是非ではなく、今こそ日本は戦争をする国になるのかならないのか国民投票で問うべき。」という今井さん。

「現代に合ってない9条は変えるべきだが現政権下では危険。現在のインターネットで踊らされる大衆は国民投票などしたら正しい判断できない。現代日本の政治レベルはアメリカ人に言わせると12歳の子ども。」という宮台氏。

「9条は現代に合っていないかもしれないが70年ちかく戦争が起きてないのは評価すべき。私たちは主権者ではなく消費者になっている。だから不完全な政治家は買わない。誇らしげに投票しないことを誇るのだ。そんな日本は民主主義でないと言われるが少しずつでも民主化がすすめばいいのでは。何もしないより自分ができる範囲で民主化を進めたい。」という想田さん。

私は一番想田さんの意見に共感を覚えた。

三人とも意見は違うのだが熱く喧嘩越しになることもなく冷静に鋭く議論を戦わせる。それは議論を楽しんでいて聴いてる方も楽しい。果たして自分は議論を楽しめているだろか?いつも自分の意見を分かってもらうことに一生懸命で意見の違いを楽しむ余裕はない。

やはり日本人は議論の文化がないので練習が必要なのではないか。

議論は民主主義になくてはならないもの。(それには有能なファシリテーターが必要であるが)議論尽くしたうえでの多数決でないとよりよい判断にならない。

今回の公開討論でも最後は教育の話になり「何事も練習が必要。日本も民主主義を進めるには政治教育が必要。教育改革が必要」という話では3人共同意し、まとまった。

 ポイントは、9条を守るか守らないかではなく、戦争をする国になるのか、ならないのかをしっかりと考え、人に問いかけること、ネット上の情報は操作されていると考えて自分の考えを他人に伝え意見交換すること、それには感情を伝えあう環境を整えることが大人の務めだということがわかった。

 頭の中にあることを言葉にし、議論することは時間もかかるしエネルギーがいることだけれど、その環境を意識して作りだしていくことが必要な時代なのだと感じた。まずは、身近な自分の周りから始めることが民主化の第一歩としたい。
                            広吉 敦子