私たちの生活の中には実にさまざまな化学物質が使われており、これらの化学物質は生活を大変便利で豊かなものにしてくれます。しかし、その使い方を間違えば人体や環境に有害なものとなってしまいます。日常的に使われているものだけでも5〜10万種類もある化学物質に法律や条例で規制をかけるやり方ではとても追いつきません。そこで、環境と経済の調和をはかりながら、化学物質の悪影響を減らすために市民、企業、行政が一緒になって考えていこうというのが「リスクコミュニケーション」です。NPO法人GJ5では、化学物質を、最もその影響を受けやすい子どもたちにもわかりやすくするために、「リスコミおばけ」というキャラクターとしてかるたに登場させました。これがリスコミかるたです。
かるた札はリスコミおばけがかわいいイラストで描かれていて、子どもたちにも親しみやすくなっています。札の種類には、化学物質の長所だけが書かれている「便利札」、短所だけが書かれている「危険札」があり、まず1回目は「便利札」だけ、2回目は「危険札」だけ、そして3回目に両方の札をまぜてかるた遊びをします。
当日はたくさんの子どもたちが参加してくれました。舌を噛んでしまいそうな物質名ばかりで、カタカナの読めない小さい子たちにはむずかしすぎるかと思いましたが、子どもたちはとても盛り上がりました。高学年の子どもたちは「便利札」と「危険札」をまぜて行いましたが、よく聞いてよく札を見ていないとすぐにお手つきになってしまうので真剣に取り組んでいました。優勝者にはリスコミおばけの手作りペンダントがプレゼントされ、これも子どもたちに人気がありました。
むずかしい化学物質の説明を分かりやすく簡潔に表し、おとなも十分楽しむことのできる内容となっています。 谷口 久仁子
*GJ5とは6月5日の世界環境Dayにちなんで「Group June 5th」(グループ・ジューン・フィフス)の頭文字をとったもので、人とのネットワークづくりを基本に地球環境を考える目的でさまざまな活動を実践している団体です。