憲法改正の動きについて

戦後60年が経ち国際情勢や環境問題、個人情報保護問題などが挙げられ憲法改正の必要性が論じられています。また、周辺事態法、イラク特措法と現状を追認する中での法律の制定、さらに国民保護法の制定など私達の身近な地域にも有事体制の準備が整い始めています。国会レベルでの憲法論議は衆参両院の憲法調査会が今春最終報告をまとめるほか、自民党は今年の11月に結党50年を記念して公約でもある「憲法改正草案」を公表する予定で、他党も国際貢献の必要性から憲法改正には柔軟な姿勢を示しているようです。憲法改正の発議には国会議員の3分2の賛成が必要であり、各党が憲法改正に柔軟姿勢を示していることは憲法改正に向けて一歩進んだ状況にあります。
 日本国憲法は「押し付けられた憲法だ。」とよく聞きますが「国民主権」「平和への願い」「基本的人権の尊重」「国際協調」を掲げており、国連憲章とも合致していることから国際社会から遅れをとっているとは思えません。憲法改正が必要なのか加憲がふさわしいのかは議論が分かれていますが、国民にその重要性は伝わっていないのが現状です。
私達の生活を大きく左右させることとなる「憲法改正」については、9条が主な話題に上り、それにプラスして、環境権、プライバシー権を盛り込もうというのが主なところですが、憲法改正の手続きを定めた96条にあるように国民投票を行わなければならず「国会法の改正」と「国民投票法」を定める必要があります。早ければ、2005年4月頃、国民投票に関する議題が出され、6月には国民投票法が決定し、2007年には憲法改正の国民投票が行われると想定されます。また、改憲には項目ごとに国民投票をする必要がありますが、それを今回一度だけ国民投票をすればあとは国会の中の同意だけで、憲法改正を可能にしてしまおうとする動きもあり見過ごすことはできません。国の主権は私たち国民にあり、その権利が最大限活かせるような「国民投票法」が作られるよう声を上げていく必要があります。                

<参考>
第9条   日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第96条  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数を必要とする。
      憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。