12月9日、区内の市民団体が集まり、2003年度の廃棄物会計について目黒区環境清掃部清掃計画課から説明を受けました。廃棄物会計とは、簡単に言うとごみの処理やリサイクルにかかる費用を算出することで、環境という側面から見ることの多いごみの問題を経済的な面から見ることができます。
目黒区のごみの量は2001年度に前年よりやや増加しましたが、ここ10数年間を大局的にみますと毎年減量が進んでいます。これは、区民のごみ減量に対する意識や行動が地域や職場に浸透し、集団回収や分別回収が着実に成果を残した結果といえます。また、ごみのなかでも可燃ごみは少しずつ減少していますが、廃プラスチックを主とする不燃ごみは微増傾向が続いています。
一方、資源回収量は増加しており、区によって様々な条件の違いがあるもののリサイクル率では23区内ではトップの21,0%(2004年度実績)となっています。しかし、缶やペットボトルのリサイクルにかかるコストは高く、ごみ処理費用をはるかに超えています。コストを抑えるためには回収量を効率よく増やす必要があります。例えば、缶はつぶして1台のトラックにたくさん乗せられるようにする、回収用のコンテナを置く拠点を増やす、などの方法が考えられます。現在、コンテナを置いている回収拠点は約6000で、ごみ集積所の約12,000に較べて半分ほどになっています。区からお願いはしているものの、場所が狭いなどの理由でなかなか増やすことができません。拠点を増やす努力と共に現在行っているコンテナ回収とは違う、新しい方法を考えていくことが必要となってきます。
また、古紙回収は区の資源回収(東京ルールⅠ)と町会・自治会などが行う集団回収がありますが、コスト的には集団回収のほうがかなり低くなっているため、全てを集団回収に移行すれば1億円以上の節約が見込めるそうです。区では今後、この節約した経費を新たに、増加の一途をたどるプラスチックのリサイクルにまわすことの可能性を検討しています。
容器リサイクルにかかる費用の負担は自治体10に対して事業者1の割合になっておりほとんど税金を使って処理していることになります。2006年は容器包装リサイクル法が改正されますが、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の実践のためにも事業者が積極的に容器包材の減量等に取り組んでほしいと思います。
4年前に私たち生活者が始めた「廃棄物会計」は年々協力してくれる自治体が増え、システムも成長し数字も記入しやすくなりました。2006年には環境省から「廃棄物会計基準」が出されることになり、全国的に基準や考え方を統一でき、コストが明らかとなることで容器包装リサイクル法を一歩進められる兆しが見えてきました。