生活者ネットワークの基本政策は30年前から「食の安全」

2008年1月8日 13時44分 | カテゴリー: 活動報告

遅れていた「食の安全」の考え方
 輸入品や遺伝子組み換え食品の増大、牛海綿状脳症の問題や食肉の偽造、食品表示の偽装などが問題となり、2003年に国は食品安全基本法を策定しました。これまで保健衛生の範囲にとどまっていたものが、法の策定により初めて消費者保護の観点と未然防止の考え方が盛り込まれたのです。しかし、安全な食品を選ぶ事や不安を解消するための消費者の視点は盛り込まれず、食品安全委員会が設置されながらも消費者代表の枠はありませんでした。2004年、東京都は都民の参加と事業者の責務や未然防止の考え方を盛り込み、国の法律よりも一歩進んだ食品安全条例を制定しました。

食卓から見えた食の課題
東京都の食品安全条例には、たくさんの市民団体がかかわった食品安全条例制定直接請求の運動がありました。外圧による輸入品の増や残留農薬問題、さらに環境汚染による環境ホルモンやダイオキシン問題、1986年のチェルノブイリの原発事故による放射能汚染などは食の安全に大きな危機感をもたらしました。店頭に並ぶ食材が安全ではないことを市民は知ったのです。食の安全を守ろうと多くの市民が直接請求の署名活動を行い、生活者ネットワークも市民と行動を共にしました。1990年、残念ながら直接請求は都議会で否決されましたが、翌年の食品安全行政の予算が倍増となり、食品安全確保対策基本指針の策定や消費生活条例に「都民の権利」を明記するなど、大きく前進するきっかけとなりました。直接請求から条例制定まで15年の月日がかかりましたが、それまでに生活者ネットワークの提案により都の食品安全行政は着実に進み、国をリードしています。

生活者ネットワークが実現したこと
・ 市民と行政の協議会を設置、条例案に市民意見を反映
・ 94年輸入米の小売段階での都独自検査
・ 95年ベビーフードの残留農薬検査
・ 96年遺伝子組み換え食品の表示に関する意見書採択、全国に波及
・ 98年カップ麺容器の環境ホルモン溶出検査
・ 02年化学物質の子ども基準策定され、4種類のガイドラインができました  
(塗料編)鉛は神経に影響を及ぼす有害な化学物質のため、施設や遊具には鉛フリーで
 (室内空気編)室内の化学物質を減らす
 (殺虫剤樹木散布編)公園などの樹木に殺虫剤の散布による子どもへの接触を減らす。
 (食事編)バランスの良い食事を心がける。食器の種類や適正な使用方法を知る。

食育の実践と食の安全を求めて
 最近の状況は、有名企業や老舗の食品偽装が発覚し、消費期限と賞味期限のあいまいさが絡み、ますます複雑化しています。本来、製造年月日を表示していたものが、このような表示となったのは輸出国から日本に到着し、消費者の手に渡るまでに時間がかかるため、製造年月日の表示は不利になるという輸出国の都合によるものです。しかし、食材などの消費期限や賞味期限は、購入後の保存状態に左右されるため、単に期限表示を鵜呑みにすることは危険です。消費者自身が判断するためには製造年月日の表示が不可欠ですが、併せて食教育をすすめて味覚や嗅覚を鍛えることも重要になります。食料自給率が40%を割る状況の中で、東京という最大の消費地に住む私たちが何を選び、どのように食べていくかで流通と国の考え方の流れを変えていくことが出来、産地や原材料、製造年月日が正しく表示されれば、消費者も望むものを選択することが可能になります。私たち消費者は食を改めて見直し、不完全な食品表示に対し目を向け、さらに改善を求めていくことが重要です。
これからも市民と共に食の安全を求める仕組みを作っていきます。