憲法学習会シリーズ第1弾「松元ヒロ爆笑ライブ」を終えて 

−私たちのためにあった「日本国憲法」−目黒地域協議会代表 深谷美智子

 今年の4月、衆・参両院の各憲法調査会は、5年間の最終報告書として、各議長に調査報告書を提出しました。各報告書とも憲法改正を焦点にしており、その論点は産業の発達によって生じてきた問題に対処するためのものとなっています。内容は「環境権」や「プライバシー権」など新たな権利を盛り込んだ基本的人権の強化、首相公選制の導入など民主主義の強化、中央官庁主導の行政を改善するための地方自治の強化、さらに天皇の地位をめぐっての論点もありますが、最も大きな点は、憲法第9条と自衛隊をめぐるものです。憲法第9条では「戦争放棄と戦力の不保持」を規定していますが、その規定にもかかわらず自衛隊が存在するという矛盾のために、第9条を改正ないし撤廃して憲法で戦力の保持を認めるようにしようという人たちと、それに反対し護憲の立場をとる人たちとが議論を戦わせています。世論は、改憲には60%前後の国民からの支持がありますが、第9条改憲になると俄然、反対が多くなるという現状です。
このような憲法改正の動きのなかで、私たちは一人ひとりが憲法の問題を自分自身のこととして受け止め考えていく必要を強く感じました。そこで、誰にでもわかるように、社会の様々な話題を取り上げて、楽しく、面白く、時には鋭い社会風刺をこめたパフォーマンス活動を繰り広げている松元ヒロ氏による「松元ヒロ爆笑ライブ 笑って!知って!憲法って!」を催しました。これが大正解!可笑しいのなんの、お腹がよじれるほど笑ったり、ちょっとほろっとしたりの連続に会場は大満足、あっという間の90分でした。圧巻は憲法前文と憲法第9条を謳いあげるシーン。何故か耳から入ってくる一つひとつの言葉がとても新鮮に感じられ素直に心に響き、胸に迫るものがありました。「憲法は国民が権力を縛る規範であり、国民の行為規範ではない」「日本国憲法が施行されて以来戦争をしていない」という言葉のメッセージを深く受け止めたいと思っています。