おひさまレポート 65より

プラマークの意味は?

 司馬遼太郎の「この国のかたち」に「紋」という一節があります。家紋をもつ文化圏は、ヨーロッパの貴族社会と日本だけで、どちらも戦場で敵味方から自分を識別させるために用いられてきたようですが、日本の面白いところは、家紋を持たない家はないほど一般化しているということです。一方、プラマーク、これは毎日のごみの修羅場で、消費者が容器包装を容易に識別できるようにと、資源有効利用促進法で表示が義務付けられている紋章といえます。
プラマーク、ペットマーク、アルミ・スチール缶マーク、紙マークの5つが法定表示、他に自主的表示とし紙パックマーク、段ボールマークなどがあります。

一方、お金に絡んだ切り口でこのマークを見ると、このマークが付いている容器包装は、再商品化義務を課せられている事業者が、リサイクル費用を負担していますよというマークでもあります。
例えば、ペットボトルの容器を製造している会社、そのボトルに飲料を入れて販売している会社が、製造又は使用した量に応じて再商品化(≒再資源化)費用を支払っているのです。
実際のところ、「指定法人ルート」と呼ばれる仕組みの中に、プラマーク付きのプラスチック製容器包装を再商品化するため、特定事業者から20年度は全国で370億円が支払われています。
住民の方々の協力により、市区町村がこのプラマーク付きプラスチック製容器包装をもっと回収し選別保管すれば、広い意味でのプラスチックのマテリアルリサイクルが推進され、500億円以上の静脈産業が稼動することになります。
もっとも、市区町村は、その役割となっているプラスチック製容器包装の収集・選別・保管のために特定事業者の倍近い費用を負担しなければならず、これで頭を悩ましていると、区担当者の方はこぼしていました。

実際、目黒区は中間処理のために約10億円を予算化しています。本来ならば、容器や包装は製造者に戻すことが一番ですが、現状では行政回収に頼らざるを得ません。そこで、「中身の商品」とともに購入した「容器や包装」はきれいにして分別することで、選別や異物処理の手間が省け、税金の節約につながります。
まず、家庭から正しく分別した質のよい資源にして、資源回収に出しましょう。 H.K記