住宅地の中にある、子どもの遊び場「のざわテットーひろば」

−おひさまレポート64より−

 世田谷区野沢にある「テットーひろば」は、住宅地の中の私有地にあります。ここでは滑って転んで泥んこになってと、子どもたちが自由に遊ぶことができます。傍らには親や地域の大人たちが温かく見守り、都市開発が進む中にも、ほっとする空間が残されています。
世田谷区の地域子育て支援「おでかけひろば事業」として助成を受けている「地域で子育て」の実践をご紹介します。「みんなでいっしょに子育てしよう」
「わーおいしそー」今日は石窯を使ってピザづくり。前もって発酵させたピザ生地を幼稚園〜小学校低学年の子どもたちが丸く平たくのばします。その上にじゃがいも、ピーマン、ベーコン、チーズ、ゆで卵ととにかくデラックスなトッピングをこれでもかとのせる子どもたち。参加者20人分のピザ7枚焼けたら「いただきまーす。」

これはのざわテットーひろばでの、ある土曜のひとコマ。テットーひろばは食に関係したお楽しみ企画を頻繁に行っています。なぜなら食は人と人を結びつけ、誰もが嬉しくなるから。「親子クッキング」、「テットーカフェ」。単にサービスを提供する/されるという関係性ではなく、少し余裕のあるスタッフが食べ物を作ります。みんなでそれを食べながら、また「ご馳走様」と一緒に食器を洗いながら、作ったスタッフにレシピを聞いたりと、食は人と人の間に穏かな風を吹き込んでくれます。こんなテットーひろばも最初から現在のような関係性が築けていたわけではありません。7年前に隣に住む大家さんが「子どもたちにもっと自由な遊び場を」と無償で提供してくれて、有志で始めたテットーひろば。月に1回イベントを行ないながらも3年間は閑古鳥が鳴く日々が続く。やっと3年目からじわじわと「テットーひろば」の名前が地域に浸透していき、思いっきり土、水、緑で遊びたい親子が少しずつ集い始めた。

去年(2008年)の秋から世田谷区のおでかけ広場補助事業となり週5日制、スタッフ2人体制となり毎日30組近くの主に0歳〜未就学児の親子が集まる広場と大きく発展してきました。楽しいから、テットーが好きだからとスタッフになってくれるお母さん、地域の大人も増えて現在35人。時代の追い風もあり、子育て支援という言葉がだんだん広まっていくのと同時にテットーひろばは社会になくてはならないものと認識されてきているのだと思います。乳幼児期から外遊びの楽しさを伝えていけたらと、設立当初に思い描いていた姿にほぼ近づいてきたテットーひろば。目黒区民なのになぜか世田谷の遊び場の代表をしている私。こんな広場、目黒区にもほしい!
(野沢3丁目遊び場づくりの会 代表 広吉)

「のざわテットーひろば 」世田谷区野沢3−14−22                ℡03−3418−9950
月・火・水・金・土開園(木・日曜日休み) 10時〜17時開園